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僧帽弁閉鎖不全症

高齢期の小型犬に多くみられる心臓病です。
5~7歳のワンちゃんの5パーセントで発生。
12歳以上のワンちゃんでは35%以上で発生しているといわれており、加齢とともに増加していきます。

心臓の構造

心臓内部の構造
心臓内部の構造

心臓の内部は4つの部屋に分かれています。
上半分を左心房・右心房、下半分を左心室・右心室と呼びます。

左右の心房(上半分)と心室(下半分)の間には、僧帽弁もしくは三尖弁と呼ばれる弁構造があり、この弁が開閉することで心臓内での血液の流れがコントロールされます。

「僧帽弁閉鎖不全症」とは…?

「僧帽弁閉鎖不全症」というのは、この左心房と左心室を隔てている僧帽弁の開閉に問題がおこることで、発生する心臓病です(三尖弁に問題が発生した場合は「三尖弁閉鎖不全症」と呼びます)。

本来、心臓の中では血液の流れは心房から心室へ一方通行となっています。

僧帽弁閉鎖不全症
左心房から左心室に血液が流入する様子(超音波検査)。
左側は心臓の構造を表示し、右側は同じ部分での血液の流れをカラーで表示しています。

この流れをコントロールするのが僧帽弁の役割です。
僧帽弁は加齢とともに構造が変化し、閉まり具合が悪くなってしまうことがあります。
そうすると僧帽弁の「閉鎖不全」がおこり、血液が左心室から左心房へ逆流を起こしてしまいます。

僧帽弁閉鎖不全症
きちんと閉まりきることができなくなってしまった僧帽弁から、血液が左心房へ向かって逆流する様子。

心臓内での血液の流れに逆流が発生すると、全身の血液の流れにも影響が及び、心不全症状を引き起こします。

「僧帽弁閉鎖不全症になると…?」

初期の僧帽弁閉鎖不全症では目立った症状はなく、運動時や興奮時に軽く咳きこむくらいです。
症状が進行すると、安静時にも咳きこむようになり、重症例では呼吸困難や心臓発作を起こして命を落とすことになります。
また、全身の血液の流れに問題が生じるため、心臓以外の内臓(肝臓や腎臓など)にも負担がかかってしまいます。

徐々に進行していく病気で、飼い主様が気がつくほどの症状が出る頃にはかなり進行してしまっていることが多い病気です。

早期発見のために…

「僧帽弁閉鎖不全症」に限らず、ほとんどの心臓病では血流の乱れから「心雑音」が発生します。
とくに「僧帽弁閉鎖不全症」では、ごく初期の段階でも「心雑音」が聞き取れることがほとんどです。

定期的な健康診断を受けていただき、いち早くこの「心雑音」を察知することが心臓病の早期発見の大きな手掛かりとなります。

身体検査で「心雑音」が聴取されれば、そこから心電図や胸部レントゲンといった検査を進めることで、より詳しく調べることができるのです。

さらに、当院では循環器診断対応の超音波検査機械を導入しており、心電図やレントゲンだけでは把握しきれない、より正確な心臓の内部構造、血液の流れる様子などを観察し、病状に合わせた的確な治療プランを御提案することができます。

「高齢期のワンちゃんで心臓病が心配」、「すでに心臓病の治療をしているけど、正確な病状を知りたい」などなど、ぜひ当院に御相談下さい。

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